【安価】勇者「姫様が魔王に拉致されたって?」
1- 20
62: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/20(木) 12:25:28.40 ID:SlZx3+YwO
ぽたり、ぽたり。
血の滴り落ちる音。
一瞬、酒場を静寂が支配した。

トンヌラ「魔法使い、君は……!」

魔法使い「ぐ……うッ……」

彼女の背中から、コボルト弟の持つ曲刀の先端が飛び出している。体力の低い魔法使いにとって、この攻撃は致命的だ。
駆け寄ろうとした仲間を手で制すと、魔法使いはコボルト弟の太い腕を両手

魔法使い「ずっと、一人で生きてきました」

魔法使い「男の人が怖くて、他人と時間を共有するのが怖くて」

魔法使い「ずっと、日陰で生きてきました」

コボルト弟「往生際の悪い人間ッスね〜。兄貴、やっちまっていいッスか!?」

コボルト兄「おう、やれ! こっちもそろそろ終わる!」

魔法使い「でも、こんな私を、あの人が変えてくださったんです」

魔法使い「あの人が……勇者様が!」

トンヌラ「!」

魔法使い「私は負けない! みんなを守ってみせる! 私の最期の奥義……とくと味わいなさい!」

魔法使いの全身が眩いほどに輝き始めた。
光属性の最上級魔法。
一同が瞼を開いた時、二匹のコボルトはことごとく蒸発していた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
314Res/177.47 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice