212: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/26(水) 09:00:33.22 ID:bZBqpDlmO
宰相「陛下、奇妙な輩が城内に侵入しておりまするが」
王様「奇妙な輩とは?」
宰相「吟遊詩人にダイヤモンドの枝豆、着流し姿のアルビノ侍に頭髪が乱れた音楽家らしき中年男性です」
王様「ぬうぅ、宰相よ! 朕の代わりに彼奴らの対応をせよ。朕は緊張のあまり肩が脱臼してしまいそうじゃ」
宰相「かくいう私も先程から膝の震えが止まりませんで……」
王様「ええい、たかが民と面接するだけじゃ言うに、何をそこまで恐れる必要があるか。宰相であれば、毅然とせよ」
侍従に連れられ、吟遊詩人以下四名が謁見の間に到着した。
跪き、挨拶の定型句を述べる。
吟遊詩人「陛下、あなた様に神の恵みがありますように」
王様「そう畏まらんでよい、面を上げよ」
吟遊詩人「僕達がここへ参ったのは……」
王様「待て、当ててみせよう。魔王を討伐するので、その後押しをしてほしいといったところじゃな?」
吟遊詩人「お分りなのですか?」
王様「城を訪れる冒険者は皆、口々に魔王討伐のための後援を求める。主に金銭面じゃな。数十年に渡り、朕はそういった勇敢な冒険者に国庫を開いてきた」
王様「しかし、誰一人として魔王を倒し凱旋する者はなかった。実力が足りなかったからだ。そもそも、魔王討伐へ行かずぬくぬく暮らしている輩もいるやもしれん」
吟遊詩人「違います! 僕達は……!」
王様「それゆえ、朕は貴様らを試す。魔王と闘うに値する力と勇気を兼ね備えておるか、見せてもらおう。まずは……そうじゃな>>213」
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