鷺沢文香「遣らずの雨」-SS速報VIP

鷺沢文香「遣らずの雨」

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16:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:41:23.38 ID:nGBjmZlt0

予期せぬ方向から矢が突き刺さり、プロデューサーさんが「え」と漏らした。

私と顔を見合わせる。

17:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:42:20.32 ID:nGBjmZlt0

プロデューサーさんを見る。

「プロデューサーさんが言っていたことは、ひょっとして……」

18:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:43:41.46 ID:nGBjmZlt0

私はただ茜さんについていくのに必死で、自分がどれだけ走れているかなんて気に留めていなかった。

茜さんが私のことをこんなふうに考えてくれているなんて想像もしなかった。

以下略 AAS

19:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:44:42.23 ID:nGBjmZlt0

「……茜さん、これは？」

「私から文香ちゃんへのプレゼントです！　文香ちゃんの髪、長いのでランニングの時やダンスレッスンの時に動きづらいんじゃないかと思いまして。私も長いんでよくわかるんです！　だからトレーニングの時はこのシュシュで髪の毛をまとめれば、もっと励めますよ！」

以下略 AAS

20:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:45:45.98 ID:nGBjmZlt0

それはきっと、茜さんの精いっぱいの気持ちだったのだろう。

手のひらの上のシュシュ。

以下略 AAS

21:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:46:58.76 ID:nGBjmZlt0

あちゃー、とおどけた表情を見せる茜さん。

しかし茜さんの瞳は切なげな色を滲ませていた。

以下略 AAS

22:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:48:04.38 ID:nGBjmZlt0

私は貴方に、何を返せるだろうか。何を返せばいいだろうか。

しかし、きっともう時間もない。茜さんは帰るところだと言っていた。

以下略 AAS

23:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:49:01.17 ID:nGBjmZlt0
ああ、行ってしまう。

後悔の種が芽を吹きはじめているというのに、私は曖昧な頷きを返すことしかできなかった。

その時だった。

以下略 AAS

24:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:49:56.62 ID:nGBjmZlt0

にわか雨。そうだろう。

しかし、私にとっては違う。

以下略 AAS

25:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:50:47.15 ID:nGBjmZlt0

「そういえば日野さん、次の舞台のお仕事で使う台本のチェックがまだ万全でないと言っていませんでしたか？　それ、鷺沢さんに協力してもらうのはどうでしょう。鷺沢さんは本に詳しいので、きっとお芝居の原作についても知っていると思いますよ」

「本当ですか！！？？　文香ちゃん！？」

以下略 AAS

26:名無しNIPPER[sage]
2017/07/15(土) 23:51:43.33 ID:nGBjmZlt0

「わ、わかりました。どんな台本かわかりませんが、私でよければ助力します。……なので、あの、あまり視界と頭をゆらさないでいただければ……疲れているので、酔ってしまいます……」

しかし、言葉とは裏腹に私の気持ちは浮ついたものになっていた。

以下略 AAS

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