高森藍子「好きって言ってはもらえてない」【デレマス】
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2: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:01:12.05 ID:NHeiDHfzo
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「お茶が入りましたよ」

「……ああ」


コトンというかすかな音は、周りの喧噪にまぎれて聞こえませんでした。

レッスン待ちか、お仕事帰りか、それともただ他の誰かに会いに来たんでしょうか。みんなのおこす、わいわいがやがやだなんて元気な津波。ごった煮になった夕方の事務所のちょっと窓よりに埋まりそうになりながら、私はいつもの方法でせわしない彼の手を止めようとします。

近くのイスを引き寄せて、よいこらしょと声に出して聞かせてみせましょう。

2つ持ってきた湯飲みの片っぽを先にずずずとすすって見せて、さらにもう一度、教えてあげるんです。

私がここにいるんですよ、って。

これでようやく彼の意識は、不躾に光る画面の向こう、企画の海からあがってきてくれます。


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