緒方智絵里「あなたと過ごす、特別で怠惰な一日」
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46:名無しNIPPER[saga]
2017/07/14(金) 14:48:39.23 ID:rHT/Celd0
「中々こういう機会も無ければ、じっくりと目を見つめるなんてできそうに無いからな」
「……確かに、そうですね。普段のアイドル生活だと、できないですね」
「そうだろ。だからこそ、現実にしたいじゃないか」
そう言うと、Pは左手をスッと動かし、今度は智絵里の右頬にへと触れる。
両頬をPの手で固定され、こうなった以上は彼からは逃げる事はできない。顔も逸らせない。
そんな状態の智絵里に、Pは顔をグッと近づけて迫った。
彼女の目をより見やすい位置で観察する為に。
「という訳だから、辛いかもしれないが……目は開けたままでいてくれ」
「……分かりました。プロデューサーさんがそうしたいのなら、私はいいですよ」
智絵里が微笑みながらそう言うと、Pは彼女の目を、その瞳の奥底まで見てしまいたいという思いで見つめる。
視界いっぱいに広がる智絵里の目の中。普段の生活の中ではまず見られない景色。
黒く淀んで濁った色を見せ、その中に僅かに灯った淡い光。
この世にあるどんな宝石よりも、Pは今見ている彼女の目の方が綺麗だと思えた。
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