37:名無しNIPPER[sage]
2017/07/14(金) 13:27:41.14 ID:/hTVOKN20
大陸北西部 荒れ果てた大地
ビュゥゥゥゥ
冒険者男「くぅ・・・・こんなところ旅しても絶対会えなさそうなんだが・・・」
冒険者男「にしても・・・風が強い・・・・どうなってるんだ?・・・・」
私の周囲には干からびて草一つ生えそうに無い荒れ果てた大地が広がっていた
天候はまさに最悪であり、強風が砂埃を纏い私の視界を奪う
私は今、海沿いに向かっているはず・・・であるが、向かうほどに強風は
強くなるばかりでった
冒険者男「あぁ・・・・早くまた、仙人さんのところの飯が食いたい・・・ジュワァ」
冒険者男「・・・だめだ!だめだ!こんな時に涎なんて垂らしていたら砂が口の中の水分を余計に奪うだけだ・・・」
どれぐらい歩いたのだろうか?時間の経過と共に風は和らぎ
視界が鮮明になっていく。空には暗闇を明るく照らす満月が
私の姿を照らしていた。
冒険者男「やっと前が見えるようになってきて助かった・・・」
冒険者男「少し休憩でもしようかな・・・・」
布の物入れから古ぼけた書物を取り出すと、小さな小枝を一つ地面に
放り投げた。「発火魔法」と本を読みながら呪文を唱えると
小枝から野宿には最適な十分な火種を生み出した
別の小さな布の物入れからは何かの動物の干した肉らしき
物を取出し、炎で炙るとまるで飢えた獣のように喰らう
冒険者男「勇者か・・・本当にいるのだろうか?・・・」
冒険者男「いたとして、世界をどう変えてくれるんだろう・・」
冒険者男「はぁ・・・仙人さんの料理くいてぇ・・・・」
冒険者男「はっ!!!駄目だ・・・もうすっかり中毒になってしまっている・・・」
旨くもない干し肉にかぶりつきながら溜め息をつかずにはいられない
ほんの数十分の休憩が孤独であるがゆえに長時間に感じる
これほど便利な機能はない
少し端々が切れた何かの本を取り出すと、これまた傷だらけの
ペンで日記を記す。これが私の日課であり、旅を続けてから
唯一、続いている行為とも言える。空には星々が煌びやかな
発色光を発しており、神々の戦いや勇者や仙人などの話が全て
嘘に思える程に、平和そのものであった
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