24:名無しNIPPER[saga]
2017/07/17(月) 01:05:07.13 ID:6aS5L05Wo
「つんでれぇ!あまのじゃくぅ!んぅぅぁぁ〜!」
誰がツンデレだ。誰が天邪鬼だこんにゃろ。
寝室をひきまわしたイヴは今となっては縋り付いていた位置を首から肩、腰、と下げていき、今となっては俺の両足を片手ずつでがっちりと掴んでいる。
――五分後。
背中にじわりと汗が浮かぶ。サンタは剥がれない。
なんだよこれ、新手のウェイトトレーニングかよ。
―――十五分後。
段々と呼吸が荒くなってくる。サンタは未だ我が足首に喰らいついている。
しんどい。無理。多分これ、死ぬ。
――――三十分後。
足はパンパンだし、目に汗が入って痛い。
「やぁい、いつもは常識人ぶって寂しがり屋のくせにかっこつけぇ!」
なぜか煽られる。
こなくそぉぉぉ!
―――――四十五分後。
フローリングの床にうつ伏せに倒れ伏す俺。
呼吸は乱れに乱れ、もはや、立つ気力もない。じとりとした蒸し暑さがなけなしの体力さえも奪っていくようだった。
そんな死に体な俺を見つめ、イヴはようやく俺の足首を離し、立ち上がる。
そして、ぱん、ぱんとパジャマを叩き、埃を落とす。
そのうち、視線はボロ雑巾のように転がる俺へと向かう。
イヴはどこかアンニュイな表情を浮かべて呟く。
「……むなしい勝利でしたねぇ」
―――若さには――若さには勝てなかったよ……。
そもそも、なんで俺、朝っぱらからこんな不毛なことしてんだろ。
うつ伏せのまま、俺はちょっとだけ泣いた。
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