35:名無しNIPPER[sage]
2017/07/28(金) 00:54:27.95 ID:x7Wy82al0
初読の際、ビルの隙間を散歩したいと思い立った藍子ちゃんに対して、「事務所からのビル群の眺めなんてこれまでも何度も見てきただろうに、この子は急に何を言い出すのか?」と不覚にもそうツッコんでしまいました。
ですが落ち着いて考えてみると、こういうことって確かにたまにあるんですよね。
ある日急に、同僚の見慣れているはずの仕草が妙に気になったり、満月の大きさに気付いたり、部屋の模様替えしたくなったり…。
そういうことがあったとき、日々受け続けている外からの刺激によって、自分自身変化していっていることの無意識のサインなのかもしれないなぁ、などと一応の納得をしています。
この日の藍子ちゃんもそうだったのかな、なんて思いました。
グラス一杯に注がれた水が最後の一滴で一気に零れ始めるように、急な翳りの作り出した情景を引き金に藍子ちゃんの中の何かが少しだけ変化したのかも、なんて。
そこで湧いた気持ちを大事にして、実際に散歩へ行ってしまえるところに彼女の素敵さを感じます。
そうしてお散歩の先で出会った発見は、また別の発見に繋がっていくのだろうと…………
…………そこまで想像して、藍子ちゃんとは正反対の私自身の汚れ具合が恥ずかしくなってきたので、彼女の顔を立てる意味も含めて『……おさんぽ、したい。』の文字の並びの危うさに言及することは敢えてやめておきます。
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