高森藍子「すきま」
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3: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:39:46.44 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜
土曜日は、高校はお休みです。だから仕事が入る日は土曜日日曜日が多めで、続いて平日の夕方です。

でも、たまに。
今日みたいに何もお仕事が入らない土曜日が、月に一度かどうかの頻度で、あったりするんです。
以下略 AAS



4: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:40:40.83 ID:kFZGYhbt0
未央ちゃんに茜ちゃんに、今日は杏ちゃんも。
お仕事のない土曜日は、こういう風に事務所にみんなで集まるのが恒例になっちゃいました。

「おはようございます、今日は杏ちゃんもいるんですね」

以下略 AAS



5: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:41:06.57 ID:kFZGYhbt0
未央ちゃんたちと会話を交わしながら杏ちゃんはソファの上に身を投げ出して、口の中の飴玉を転がしています。

「そういや未央ちゃんたち、今暇?」

「暇というか、まあ暇、かな?」
以下略 AAS



6: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:41:39.03 ID:kFZGYhbt0
そのとき。


太陽が雲に隠れたのか、急にあたりが翳りだしました。
プロデューサーさんのデスクに差し込んでいた日差しが薄くなり、やがて消えて、まんべんない薄影がデスクを覆いました。
以下略 AAS



7: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:42:25.30 ID:kFZGYhbt0
私はいつのまにかこう思っていました。

あの隙間の中って、どうなってるんだろう。
静かに、でも確実に絶え間無く動く景色の中で唯一、変わらずにじっと立っているビル群。
あの隙間の中に、何があるのだろう。
以下略 AAS



8: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:43:16.72 ID:kFZGYhbt0
「……2人に頼もうかなって思ってたけど、藍子ちゃんお願いできる?」

不意に名前を呼ばれて、私は3人の方に向き直ります。

「えっ、何をです?」
以下略 AAS



9: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:43:43.49 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜〜
思わず転がってきたおさんぽチャンスに、私は心が踊っていました。
エレベータを降りるとき、エントランスから出るとき、私は間違いなくスキップしていました。

早速買ったばかりのカメラで、エントランスをパシャリ。
以下略 AAS



10: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:44:44.58 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜〜
小さなビル群は、すごく遠くに見えるけど、上から見たときよりも大きく見えました。
上から見ていた時はまるで不揃いのカステラみたいに見えていたのが、地上に降りてみると見え方が変わったのです。
見下ろす視点から見上げる視点。まだ遠いから、その視点はあまり上がっていないけれど。
それら小さなビルたちはまるで、大きなティッシュ箱みたいでした。
以下略 AAS



11: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:46:07.05 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜〜〜
4車線、合計8車線もある太い道路を、まだLED化されてない信号を目指して横断歩道で渡って、また暫く信号待ちをします。
渡りきるのに信号を2回待たなければいけませんでした。
2回目の信号待ちの間にも、私の前と後ろをトラックや乗用車が高速で行き交います。

以下略 AAS



12: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:46:47.32 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜〜
さっきよりは細い道路の、それでも信号待ちはちょっとじれったいから、丁度いい、歩道橋を使いました。
ちょっと古くて、手摺は錆びてて中身が見えちゃってます。
触ったら怪我しちゃいそうなので、触れないように気をつけながら階段を登ります。

以下略 AAS



13: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga ]
2017/07/10(月) 23:47:25.25 ID:kFZGYhbt0
〜〜〜〜〜〜〜
事務所から出て30分。結構歩いた気がします。お陽さまが高く登ってきました。
途中、方向を間違えたんじゃないかな?
と不安になりながら、さっきみたいな歩道橋の上から目的のビル群をギリギリ目視で確認します。
うん、大丈夫。ちゃんと近づいてる。
以下略 AAS



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