安部菜々「星の海を越えて」-SS速報VIP

安部菜々「星の海を越えて」

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60: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:12:59.50 ID:mjZ8j0KR0
「アイドルにっ？」

　彼女が身を乗り出してくる。心なしか瞳がきらきらしていた。

「うん。それで、わたしはあなたの担当をしているの」

以下略 AAS

61: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:15:32.44 ID:mjZ8j0KR0
「あの、」

「うん？」

「そうすると、あれですか……ライブとかにも出てたりするんですか？」

以下略 AAS

62: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:18:49.89 ID:mjZ8j0KR0
「……えと」

　手が落ち着かないようで頻りに髪を触りながら、おずおずと尋ねてきた。

「もしよかったらでいいんですけど、その」

以下略 AAS

63: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:19:52.55 ID:mjZ8j0KR0
　学校の教室くらいの大きさの部屋の中には、所狭しとアイドル関連の資料が詰まっている。

　過去に取り扱った仕事をファイリングしたものや、タレント名鑑など、その手のファンが見れば垂涎もののお宝が眠っている。

　この部屋は今の彼女にとっても天国のような空間らしく、活き活きとした表情を浮かべて辺りを見回している。

以下略 AAS

64: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:20:33.08 ID:mjZ8j0KR0
　部屋の一角には、膨大な量のメディアが収納されている。

　彼女のライブ映像もその中にあった。

以下略 AAS

65: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:21:03.06 ID:mjZ8j0KR0
　舞台が明転する。

　スモークが焚かれ、軽快なファンファーレが鳴り響き、スポットライトが主演を求めて彷徨い、辿り着く。

　せりあがるステージから、アイドルが現れた。

以下略 AAS

66: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:21:59.59 ID:mjZ8j0KR0
　曲が始まるまでの短い間も、彼女は軽快に話し続けた。

　時に面白おかしく、時に夢を語るように。

　満を持してイントロがかかる。

以下略 AAS

67: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:22:35.36 ID:mjZ8j0KR0
　曲が終わり、映像を止める。

「これが、アイドルのあなた」

以下略 AAS

68: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:23:27.66 ID:mjZ8j0KR0
「ねえ」

　事務所に戻ったわたし達は、またソファに腰かける。

「アイドル、好き？」

以下略 AAS

69: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:24:39.06 ID:mjZ8j0KR0
「あなたは、本当にすごいアイドルなの」

　きらきらしていて、みんなから愛されていて。

　気配りが上手で、人一倍アイドルのことが大好きで。

以下略 AAS

70: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:25:47.97 ID:mjZ8j0KR0
　アイドルの安部菜々が急病のため、当面の仕事に出演しないことが決定したという事務所側の発表は、瞬く間に広まった。

　ツアーの出演を辞退したことも。

　同じプロダクションのアイドル達や関係者にも、彼女の抱えている事情は伝えられた。

以下略 AAS

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