安部菜々「星の海を越えて」-SS速報VIP

安部菜々「星の海を越えて」

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54: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:04:53.94 ID:mjZ8j0KR0
　彼女が、壁にかけられたカレンダーに目線を向ける。

「……なんとなく、ですけど」

　不安げな声が返ってきた。

以下略 AAS

55: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:05:31.14 ID:mjZ8j0KR0
「自分が誰なのかは、わかるよね」

「安部、菜々です」

　彼女はカップのあたりを見つめながら、茫洋と答える。

以下略 AAS

56: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:09:24.42 ID:mjZ8j0KR0
　俯いた顔に、影がかかる。

　本当は心細くてたまらないのだろう。

　無理もない、今の彼女はまだ十七歳なのだ。

以下略 AAS

57: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:10:32.96 ID:mjZ8j0KR0
「あなたはどうやら、ここ数年のことを忘れてしまっているみたい」

「あなたにとってここは、数年後の未来ってことになるのかな」

以下略 AAS

58: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:11:35.23 ID:mjZ8j0KR0
「あなたからすれば、わからないことだらけで不安なことも多いと思う」

「だから、わたしがそばについているから、困ったことはなんでも言ってね」

　怯えきった様子の彼女に、少しでも落ち着いて貰いたかった。

以下略 AAS

59: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:12:12.57 ID:mjZ8j0KR0
「信じられないかもしれないけど、今のあなたは超売れっ子のアイドルなんだよ」

　とっておきの秘密を教えるように言うと、明らかに彼女の表情が変わった。

60: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:12:59.50 ID:mjZ8j0KR0
「アイドルにっ？」

　彼女が身を乗り出してくる。心なしか瞳がきらきらしていた。

「うん。それで、わたしはあなたの担当をしているの」

以下略 AAS

61: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:15:32.44 ID:mjZ8j0KR0
「あの、」

「うん？」

「そうすると、あれですか……ライブとかにも出てたりするんですか？」

以下略 AAS

62: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:18:49.89 ID:mjZ8j0KR0
「……えと」

　手が落ち着かないようで頻りに髪を触りながら、おずおずと尋ねてきた。

「もしよかったらでいいんですけど、その」

以下略 AAS

63: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:19:52.55 ID:mjZ8j0KR0
　学校の教室くらいの大きさの部屋の中には、所狭しとアイドル関連の資料が詰まっている。

　過去に取り扱った仕事をファイリングしたものや、タレント名鑑など、その手のファンが見れば垂涎もののお宝が眠っている。

　この部屋は今の彼女にとっても天国のような空間らしく、活き活きとした表情を浮かべて辺りを見回している。

以下略 AAS

64: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/07/09(日) 14:20:33.08 ID:mjZ8j0KR0
　部屋の一角には、膨大な量のメディアが収納されている。

　彼女のライブ映像もその中にあった。

以下略 AAS

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