44: ◆Ks1JsTemxeE/[saga]
2017/07/08(土) 13:56:51.80 ID:I/wVrg/dO
−−−王宮 執務室−−−
執事「姫様……お一人で無茶はおやめください」
姫「ごめんなさい、でも相談したら反対したでしょう?」
執事「そうかも知れませんが、姫様に何かあったら私は陛下に殺されます」
姫「あはは、本当にごめんなさい」アセ
執事「姫様、何故あの様な者に?」
姫「可能性を感じたの」
執事「スラムの盗賊です。ちょっと名の知れた者かも知れませんが……ただのはぐれ者」
姫「現に秘宝の前まで行けたわ……それに」
執事「……」
姫「彼の言い分も少し分かるかも」
執事「盗賊のたわ言など」
姫「スラムで貧しく育った彼にとっては、我々貴族の常識は通用しないわ。当然よね、盗みを働かなければ生きて行けない」
姫「それを悪と言うと彼は……いえ、スラムのはぐれた者達全ては死ななければならない。それを正義と認めろなど納得出来るわけがないわ」
執事「納得させる必要はないのです。我々にとっては悪、それだけです」
姫「彼もそれは理解していた。誰しもその人にしかない正義がある」
姫「彼には彼の正義がある」
執事「では」
姫「あと必要なのは……意志」
ダダダダダッ……バタンッ!
兵士「大変ですっ!!」
執事「何事だ?」
兵士「牢から盗賊が脱走しました! 行方がわかりません!」
姫「!!!……秘宝が!」
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