小日向美穂(27歳)「ねぇ聞いて、素敵な人生を歩んできたの」
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8: ◆XUWJiU1Fxs[sage]
2017/07/06(木) 00:38:03.33 ID:EEAT6ERxo
「響子ちゃんは……知っているよね」

『プロデューサーさんの奥さんだからね』

 お嫁さんにしたいアイドルNo.1の座を5年間キープし続けた響子ちゃんだったけど、誰もが憧れた彼女の夫という肩書きは見事私たちのプロデューサーが勝ち取ったんです。5年経った今も新婚時代と以前変わることなく仲睦まじく、理想の夫婦って響子ちゃんたちのことを言うんでしょうね。2人の間に生まれた赤ちゃんは響子ちゃんに似て可愛らしく、将来アイドルになるのかなと3人で笑いあった事を思い出しました。思えば、響子ちゃんともそれ以降会えていません。私が昔住んでいた寮に行けば、アイドル達のお姉さん役として寮母さんをしている響子ちゃんに会えるのだけど、中々そんな時間も取れずにいたから。

『響子ちゃん、寮のアイドルの皆にも期待されてるみたいで張り切ってるみたい』

 アイドルを続けている卯月ちゃんや歌や踊りのスキルを活かせる役者になった私たちと違って、響子ちゃんは芸能界を引退した一児の母でです。5年間のブランクを埋める、となるとそれ相当の覚悟と努力が必要不可欠でしょう。それでも、また眩しいステージに立とうと頑張っているんだ。

『だから美穂ちゃんにも立って欲しいな。もう一回、とってもキュートなピンクチェックスクール、やってみない?』

「私は……少し、考えさせてほしいな。やっぱりすぐには答えられないかも。あっ、そもそもの企画だダメだ! とかそういうのじゃなくてね、私の気持ちの問題というか……」

『急な話だもん。無理はないよ。でも、ファンのみんなが待っている気持ちと同じくらい、私たちも美穂ちゃんと同じステージに立てることを待っているからね! と、この話はここまでにして最近ね――』

 この後久しぶりの長電話は日付が替わっても続きました。




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