6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/01(土) 21:50:42.12 ID:WMIgWMbh0
夕暮れ前にルームの使用許可を取ったというのに、自分なりの満足が得られる頃には既に日は沈みきり、窓の外にはとっぷりと夜の帳が下りていた。
軽くクールダウンしてから室外への扉を押し開けると、コツンという何かがぶつかる音。
「……あら?」
廊下にエナジードリンクの缶が倒れている。ドアの前に置いてあったらしい。拾い上げると、缶の裏側にはメモ用紙が貼り付けられていた。
『気持ちはわかりますが、オーバーワークは厳禁です』。
丁寧な字で書かれていたのはそんな文。見覚えのある優しい字体だった。
瞬間、ほんのりと熱を持つ私の顔。
「……プロデューサーの字よね、コレ……ああ、もう」
私の情けない姿を見ていたのは、トレーナーさん以外にももう一人いたみたいだ。
差し入れは当然嬉しい。
気持ちは嬉しいんだけど!
思い出されたのはオーディションでの大言壮語。
貴方にこんな姿は見せたくなかったのに、なんて風に思ったのを覚えている。
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