4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/01(土) 21:48:52.79 ID:WMIgWMbh0
「志望動機は目立ちたいから。だから、アイドルにこだわりがあるか、って言われると……そうでもないわね」
「えらく正直ですね。……モデルはダメでも、アイドルにならなれると思いましたか?」
「アイドルを甘く見てるわけじゃないわ。ただ、動機なんて些細なことだと思ってるだけ。『どうしてアイドルになりたいか』より、『なったあとにどうなるか』の方が大事じゃない?」
「……まあ、そういう考え方もあるかもしれませんね」
「アイドルにしてもらえるなら私は絶対にもっと綺麗になれるし、驚くぐらい活躍できるわ。……そんな私を、見たくない?」
「大した自信ですねえ」
「ないよりいいでしょ?」
「ええ、それはまあ、もちろん」
しばし心情の読めない顔で手の中のボールペンをこねていた彼。手捌きを誤り、銀色のペンが二人を挟むテーブル上にことりと落ちる。
それを契機に、彼は顔を上げた。
「……わかりました、その大言を買わせていただきます」
その返答に胸が踊った。が、つとめて冷静な風を装った。
「……決まりね。これからよろしく、私のプロデューサー!」
偉そうで、世間知らずだった私の態度。
たぶんオーディションをしてくれたのがプロデューサーじゃなかったら、私が合格をもらうことはなかった。
貴方と出会えた幸運に、感謝しないといけないね。
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