【モバマス】ほたる「わたしの不幸と、幸せと、不幸」
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39: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:18:11.78 ID:YyjtO4V8o
「……たる?ほたる?」

「ひゃ、ひゃい!」

 プロデューサーさんの低い声が耳に入ってきてプロデューサーさんに呼ばれたのに気づく。どうやら考えるあまりにぼーっとしていたらしい。
以下略 AAS



40: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:18:55.87 ID:YyjtO4V8o
 あの話を聞いてから既に一週間が経った。私は未だに何も決められていない。

 無為に日々が過ぎていき、だんだん現実感だけが薄れていく。そのくせ、焦りだけは消えてなくならない。期限の定まらない選択はかえって私を混乱させてしまったのかもしれない。

 いや。期限なんて本来関係ない。私はきっと期限なんかのせいにできない、完全な自己責任であるこの選択が怖いだけなのだ。


41: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:19:39.87 ID:YyjtO4V8o
「ほたる?」

「…………」

「おーい、ほたるー!」
以下略 AAS



42: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:20:28.44 ID:YyjtO4V8o
「ずいぶん悩んでるだろ?こんなおっさんで良ければ相談に乗るしいろいろ言ってくれていいんだぞ、って」

 確かに、自分でもこれ以上悩んだって結論は出ないのではないかと思っていた。けど人に相談するのは……。

 きっと私はプロデューサーさんにも責任を負わせてしまう。心の中で自分の責任から逃げてしまうかもしれない。
以下略 AAS



43: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:20:59.24 ID:YyjtO4V8o
 プロデューサーさんは危険運転を避けるために正面を向いたままで話す。

「確かに自分の問題は最終的には自分で決めるべきだけどさ……。相談することでその答えがよりよくなるんだったら相談すべきじゃないのか?」

 プロデューサーさんは俺が言えた義理じゃないけどなー、と軽く苦笑しながら続けて聞いてくる。
以下略 AAS



44: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:22:01.33 ID:YyjtO4V8o
 わたしはどうしたいのだろう。よりよい選択を望むのか。悔いのない選択を望むのか。

 …………。

 ………。
以下略 AAS



45: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:23:14.96 ID:YyjtO4V8o
ーーーー

「わたしは、どちらも怖いんです」

 閑散とした事務所の客間。わたしはそこにプロデューサーさんと向き合って座り、話し始めた。
以下略 AAS



46: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:23:57.53 ID:YyjtO4V8o
「最初は、わたしはファンの皆さんを裏切ったり会社の皆さんに迷惑をかけることが嫌だったんです……。でもだんだんその嫌悪はわたしの保身からくるものだって、自分でわかってきて……!」

 ザアザアと、外では雨が降り始めていて雨雲でいつもより暗い。

窓に打ち付ける雨音に構わず、わたしは心中を露呈させた。
以下略 AAS



47: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:24:55.39 ID:YyjtO4V8o
「 そんな自分自身が嫌になったとき、私の逃げる先はなくなりました。

 未来に希望が見えなくて、今を否定したくなって。

 そうしたらついこの前までの日常がいとおしく、同時にもうそんな日常は終わってしまったことを自分の感情から気取りました。
以下略 AAS



48: ◆7PpQF0yG66[saga]
2017/07/02(日) 12:25:22.88 ID:YyjtO4V8o
 わたしの言葉で紡がれて初めてわたしに認識できた“白菊ほたる”はあまりに見苦しく、わたしは自然と目を伏せる。


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