【モバマス】ほたる「わたしの不幸と、幸せと、不幸」
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◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 09:57:01.51 ID:YyjtO4V8o
プロデューサーさんはそんなわたしの内心には気づかずに微笑みを元に戻し、重い口を開く。
「……実はな」
わたしもプロデューサーさんの深刻な面持ちに気づいて浮かれた気持ちを振り払った。
以下略
AAS
27
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 09:57:48.20 ID:YyjtO4V8o
「上はどうやらお前が今回の話を断るとは思ってなかったそうでな……。だから治療の真の目的までは明かしていなかったらしい」
「目的……って」
わたしがプロデューサーさんに問いかけるような目を向けるとプロデューサーさんは調子を整えるためか、一つ咳をしてそれに答えた。
以下略
AAS
28
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 09:58:44.69 ID:YyjtO4V8o
「ああ。どうやら上はそれらの事務所が全て倒産していることを気にしているらしい」
疫病神。
そう言われたことも昔私にはあったのだ。わたしの所属した事務所は悉く倒産していって誰も私を拾おうとしなくなった。そんな時にプロデューサーさんはわたしを拾ってくれて。
以下略
AAS
29
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 09:59:39.48 ID:YyjtO4V8o
「……俺もオカルトじみていて一企業が取るような行動でないとは思う。けどお前を不幸で売り出している以上、この会社の人間は多少なりともお前の不幸を信じざるを得ないんだよ……」
わたしは、どういう顔をすればいいのか分からなかった。だってわたしが所属している事務所は倒産する、なんて。
以下略
AAS
30
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 10:00:56.22 ID:YyjtO4V8o
「……アイドル活動の方針については、会社側がお前の不幸を演出するから今まで通り不幸で売り出すらしい」
「……っ!そういう問題じゃ……!」
ないです、と言いかけて口をつぐむ。
以下略
AAS
31
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 10:01:51.71 ID:YyjtO4V8o
「……プロデューサーさん」
「なんだ?」
「……不幸じゃない白菊ほたるに、今と同じように仕事は来ますか……?」
以下略
AAS
32
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 10:02:42.63 ID:YyjtO4V8o
それでも、不幸を手放したくないのはわたしの罪悪感が故なのだろうか。それとも――――
「とにかく。会社側もお前のことを考えて最善の案を提案してくれている。けどそれだけの問題でもないのは俺も上層部も理解しているつもりだ」
以下略
AAS
33
:
◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 10:03:45.19 ID:YyjtO4V8o
「……この話の期限はできるだけ延ばしてくれるそうだ。……本当に、申し訳ない!こんな、情けない大人で!」
「……いえ。分かってるんです。プロデューサーさんも会社の人も……。誰も悪くないんだって。……でも、少しだけ。やっぱり少しだけ考える時間をください」
以下略
AAS
34
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◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 10:04:24.28 ID:YyjtO4V8o
一旦、中断します。
それでは。
35
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◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 12:14:50.32 ID:YyjtO4V8o
再開します
たぶん最後まで投下します
36
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◆7PpQF0yG66
[saga]
2017/07/02(日) 12:15:42.81 ID:YyjtO4V8o
例えば――
今日は三回、転んだ。二回、欲しい物が売り切れていた。四回、小物が落ちてきて、一回、不慮の雨に降られた。
そして四人の人に不幸を理由に優しくしてもらった。
以下略
AAS
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