22: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/07/01(土) 00:15:04.61 ID:47jOOTyu0
「……………流れ星を〜探そうよ〜」
ふいに、さっきまで黙っていた時子Pが歌を歌い出した。しかしこれもいつものこと。俺たちは、誰かがモラトリアムを終えるごとに、こうして唄を送るようにしているのだ。
歌は決まって、『流れ星キセキ』。
「「この物語は、一つ星たちの出会いのキセキ〜」」
俺とイブPも後を追うように歌い出す。男三人が無理して原キーで歌おうとして、必死で出した汚い高音が奏でる地獄のようなハーモニー。
「おい!おい!!またお前等か!うるさいからやめろと何回も言っているだろう!!」
Aメロに入る前に看守がやってきた。回を重ねるごとに早く来るようになっているのが無性に腹立たしい。
「看守殿!私がッ!二人に歌えと強要しました!なので全ての責任は私にあります!」
「懲りないやつだなお前は!懲罰房だ!覚悟しろ!」
「はい!99時間コースでお願いします!!!」
時子Pが、満面の笑みを浮かべながら看守の後についていった。これもここ数年で見慣れた光景だ。
「…それでは、お世話になりました」
「…ああ」
そのまま、車いすに乗ったほたるPは俺たちの前から旅立っていった。
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