【デレミリSS】紗代子「スロー?」杏「ライフ」
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6: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:01:52.30 ID:qv/3Hhrn0
紗代子「あっ、あのー?」
恐る恐る声をかけてみても、返ってくるのは寝息だけ?あれ?今からレッスンだよね。
7: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:03:03.94 ID:qv/3Hhrn0
紗代子「あぁ、自己紹介がまだでした。私、高山紗代子っていいます。よろしくお願いします!」
杏「あー、紗代子ちゃんね。よろしく。まぁ、そんな肩肘張らずにさ、気楽にやろうよ」
8: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:04:06.80 ID:qv/3Hhrn0
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私の期待とは裏腹に、杏ちゃんはレッスン中でもぐてーっとだらーっとしていた。でも、今日のレッスンの目標はきちんとこなしていた。
9: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:04:59.99 ID:qv/3Hhrn0
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それから数日が過ぎた。
10: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:05:46.27 ID:qv/3Hhrn0
目を覚ますと後頭部に柔らかい感触があった。眼鏡をはずしているのだと思う、ぼやける視界にはもやっとした光だけがみえる。背中に感じる硬い板の感触から、私はレッスンルームの床に寝そべっているのだと気がつく。
杏「あぁ、気がついた?大丈夫?ほら、水」
11: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:06:27.84 ID:qv/3Hhrn0
壁にペタッとよりかかって座る。杏ちゃんは、ただ私の横に座っていて何も話さない。
だんだん意識がはっきりしてきて、私はとんでも無いことをしてしまったと気がつく。
12: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:07:49.57 ID:qv/3Hhrn0
それから幾らかたって、レッスンルームに差し込む光はオレンジ色が強くなってきた。ぐちゃぐちゃと頭の中を巡る葛藤がおちつきはじめたとき、それを見計らったように杏ちゃんが告げる。
杏「はい、これ」
13: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:08:52.71 ID:qv/3Hhrn0
杏「紗代子ちゃんはさ、どうしてそんなに頑張ってるの?」
唐突に杏ちゃんが問いかける。何気なく聞いてみたって声色だけど、その言葉はやたら重く私にのしかかる。のしかかる重さにぐにゃっと曲がった心から、言葉が飛び出てくる。
14: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:09:55.76 ID:qv/3Hhrn0
頑張った先に、何があるなんて考えたことなんてなかった。勉強もスポーツも頑張ればきっと上手くいって、上手くいくことはきっといいことなんだって信じてた。
アイドル活動だってそうだ。頑張れば上手くいって、きっといいことが待ってるって。だから、私はただ頑張ってきた。
15: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:12:26.85 ID:qv/3Hhrn0
紗代子「杏ちゃんは、どこに向かってるの?」
反則だって思いながら、私は質問に質問で返す。今のところ、私は杏ちゃんの問いかけに答える言葉がない。でも杏ちゃんが、それを考えるヒントをくれるって思ったから。
16: ◆uYNNmHkuwIgM
2017/06/30(金) 23:13:29.00 ID:qv/3Hhrn0
杏「...んー、分かったよ。誰にも言わないでね、恥ずかしいから」
紗代子「うん。約束する」
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