78: ◆Y096V6Llx.[saga]
2017/06/29(木) 03:13:59.09 ID:fth49gqm0
「まぁ、放っておけば勝手に死ぬか」
カトラスを仕舞い、ドレッドノートの甲板へと飛び乗る。
「運が良ければ助かるだろうし、神様にでも祈っておくんだぞ〜」
手を振りながら、船の舵を執る。
180度回頭させ、風を帆全体で受け止める。
戦列艦はサイズが大きいので鈍いが、帆を全て張った状態で風を受ければ、それなりのスピードは出る。
「発射、と」
ある程度離れたところで、先ほどの船に臼砲を撃ち込む。
船は中央から真っ二つになり、沈むスピードは速くなっていく。
「おーおー。沈んどる沈んどる」
「あれ、放置するんじゃなかったんですか?」
「最初はそのつもりだったんだけど、ね」
戦闘に入る前に言われたことを思い出して、ついやってしまった。
「ったく、私もまだガキってことなのかもしれないな」
水平線を見ると、太陽が沈んでいくのが見えた。
「あー…。もうすぐ夜になっちまうのか」
地図を開き、思考を回転させる。
「ここに錨を下ろして、停泊するのもアリっぽいけどなぁ」
体内磁石を利用して、最寄りの島を探す。
「一番近いのはジブラルタルか。いったん帰るとしようか」
「了解です」
「戻ったら自由行動だからなー。酒でも飲んで少しはゆっくりしていいぞー」
「やったぜ」
「あ、初勝利の祝いの宴でもするか」
「ジブラルタルに戻るまでは無礼講だ。どんちゃん騒いじゃっていいぞ」
「流石船長!分かってるぅ!」
「そんなに褒めても何も出ないぞ?」
こうして、貴女の海賊団の夜は更けていく。
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