67: ◆KzSA1DIYOY[saga]
2017/07/05(水) 21:34:15.76 ID:zx0IVnw2O
レシプロ機特有の轟音が耳をつんざき、数瞬の後に焼夷弾がばら撒かれました。
そして運の悪いことに、ばら撒かれた焼夷弾は女の子が身を潜めていたトイレの近くに着弾したのです。
未だかつて経験したことのない爆音と衝撃に、女の子の心は一瞬にして恐怖に満たされたことでしょう。
この時すぐ逃げ出せば、もしかしたら助かったのかもしれません。
しかし、恐怖と驚きで体は硬直し、その場から動けなかったのではないかと思います。
そうこうしている内にも火の手は勢いを増し、やがて炎に囲まれトイレから出られなくなり、そのまま……
女の子には同じ学校に通う、歳の近い姉がいました。
その日も恐らく、一緒に学校に残ってかくれんぼをしていたことでしょう。
女の子は死の恐怖と業火の中で、最期の最期まで「おねえちゃん、おねえちゃん」と、姉に助けを求め続けていたそうです……
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