65: ◆KzSA1DIYOY[saga]
2017/07/05(水) 21:19:34.85 ID:zx0IVnw2O
あの学校……今は鎮守府ですが、建物自体は私が生まれるずっと前から存在していました。
たしか、廃校になる数年前に創立90年を迎えましたから、昭和元年頃に建てられているはずです。
昔はこの辺りも人口が多かったようで、大勢の子供たちで賑わっていたそうです。
海の幸に恵まれた、のどかでいて活気のある町でした……そう、戦争が始まるまでは。
物資が豊富で大きな港も保有していたこの町は、軍艦の停泊所として活用されることになりました。
活用といっても軍の拠点としてではなく、あくまで補給に立ち寄ったり、臨時の停泊場所として使われる程度でしたが。
ご存知かとは思いますが、当時は国民が一丸となって戦争に臨んでいましたからね。
漁師をはじめとする町民たちは、軍に港を提供することを嫌がったりはしませんでした。
むしろお国のためになればと、海兵さんに海の幸を振舞ったり、子供たちは子供たちで港に停泊中の軍艦を眺めては、目をきらきらと輝かせていたそうです。
――しかし、平和な日々は長くは続きませんでした。
終戦から数年前のある日、この町を空襲が襲ったのです。
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