20: ◆KzSA1DIYOY[saga]
2017/06/28(水) 23:29:24.20 ID:ReryGD1kO
――この世に深海棲艦が現れてから数年。
人類は艦娘という対抗手段を用いて、日夜激戦を繰り広げてきた。
その甲斐あってか、昨今に至るまで人類は海を失わずに済んでいる。
しかし、それでもなお深海棲艦の猛攻が止むことはない。
むしろやつらは年々その数を増し、これまで安全と思われていた海域にまで侵攻してくることも多々あった。
絶え間なく、そして何の前触れもなく各地に出没する深海棲艦。
そんなやつらに対抗すべく、政府と軍は沿岸部のいたるところに鎮守府の設置を急いだ。
通常兵器では歯が立たない深海棲艦に対し、唯一有効打を持ちうるのが艦娘であり、その艦娘たちの拠点となるのが鎮守府であったからだ。
提督「しかし、全国各地に鎮守府を設置するのは言うほど簡単なことではなかった」
深海棲艦により交易手段を制限された日本は、島国が抱える弱点――物資の枯渇に直面していた。
また、深海棲艦により破壊された町々の復興や、傷ついた人々の治療にも多くの資金が必要となる。
早い話、鎮守府の設置には金がかかるのだ。
出撃や帰還の際に使用する港さえあればいい、というわけではない。
傷ついた艦娘を治療するための入渠ドック。
新たな兵器や装備を開発するための工廠。
そして、時には一つの鎮守府に100を越える艦娘が所属することも珍しくないため、彼女らの居住スペースも必要になってくる。
戦争で疲弊した日本に、それだけの施設を短期間で数多く設置することは困難を極めたのだった。
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