【ガヴドロ】ガヴリール「バレンタインだからな……」
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8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/27(火) 07:36:48.61 ID:ZfuP++hI0
「……ありがとう。そうね、じゃあ私からもお返し」

そう言うとヴィーネは私のあげたチョコを鞄にしまい、何かを取り出した。

「はいガヴ、ありがとうね」

「……あぁ、私もありがとう」

まだヴィーネから貰ってないとは思ってたけど用意はしてあったのか。

なんで今までくれなかったんだろう。

「……! ていうかヴィーネ、チョコを貰ったらようやくお返しってちょっと現金すぎじゃない?」

「……それ、本命よ」

「…………え?」

その言葉を理解するのに私は優に時間がかかった。

「本当はね、あなたにそれを渡すつもりはなかったの」

「最初はそういうイベントだからとかなんとなく作ってみたとか適当に理由付けて渡すつもりだったんだけどね、でも」

「隠したくなくって。嘘つきたくなくって。ガヴにも、私の気持ちにも」

「悪魔なのにね、私」

ヴィーネは俯きながら自嘲気味に話す。

……きっとヴィーネも私と同じだったんだ。

いつの間にか生まれていたその感情は日に日に強さを増して、その度に心に苦しみを与える。

この感情の正体はもうとっくにわかってたんだ。

でもそれは言葉にした瞬間刃物のように日常を切り裂いて葬り去る。

過言かしれないけど、場合によってはそれほどの破壊力を持つことを知っている。

でも――。


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