千歌「一番可愛い二人」
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56:名無しNIPPER[saga]
2017/07/02(日) 00:34:20.50 ID:RMieNYqtO
「それは、なにかな」

俯いて、私は言った。

「私からは言わない。曜ちゃん」

曜ちゃんが少し身じろぎした。
私の背中から離れていく。

「千歌ちゃん」

呼ばれて、曜ちゃんの方を見た。
私に言いたいこと?
いつまでも未練がましいとか。
劣等感が鬱陶しいとか。
頭をよぎったのは、そんな卑屈なことばっかりだった。
曜ちゃん。
私に何を聞いて欲しいの。

「曜ちゃん」

分かったんだよ。
私、曜ちゃんが眩しかったんだ。
眩しくて、目が潰れてしまいそうだったんだ。
私は曜ちゃんに惹かれていた。
私の幼馴染は、こんなにもすごいんだって。
だから、怖かった。
梨子ちゃんがその眩しさに気付いてしまわないかってことが。
だって、そうなったら、結局私たちの関係は変わらない。
私は曜ちゃんを追いかけ続けないといけない。
曜ちゃんは私に気を遣わないといけない。



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