7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/26(月) 19:27:16.68 ID:sKp9/69N0
俺はやっと思い出した。この子は俺がプロデューサー業をやっていた頃の担当アイドルだった少女たちの一人、龍崎薫だ。
「薫じゃないか。久しぶりだな。どうしたんだ、こんな大雪の中で」
「せんせーに会いたくなっちゃって!」
なんだかとても懐かしい気がしていたのは、こういうことだったか。
もう随分経つはずなのに、来訪してきた薫ときたら、
俺がプロダクションを辞める前の姿と全く変わっていない。懐かしさに思わず顔が綻ぶ。
それにしても。
「……お前、半袖半ズボンで寒くないのか、薫」
真冬の、しかも大雪の降る中でこの格好はちょっと風邪を引くんじゃないか。
「だいじょーぶ!子どもは雪の子だもん!」
薫の手を取ると、氷のように冷たい。早く家に入れて暖めてやらないと。
……しかし、こんな天気に娘を外へやるなんて、親御さんは何しているのだろうか。
「とにかく外はえらく寒い。入りなさい」
「おじゃましまー!」
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