【モバマス短編集】「築き上げたもの」
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37: ◆oeRx5YHce.[saga]
2017/06/25(日) 00:03:55.51 ID:VqLbmOYz0
「未央のプロデュースには反省点がたくさんある」

「まず売り出す時期を間違えた。あの時は出せば売れると思ってた。それに売れたがっているお前に笑顔になって欲しかったんだ」

「だからメディアの露出を増やした。我ながら芸のないプロデュースだったと思う」

「くだらない感情で仕事をした。そのせいで未央が叩かれたのも知ってる。他のアイドル達にもひどいことをした」

「ユニットの組ませ方だってそうだ。複数人グループだと必ず不人気になる子が出る」

「卯月や凛が悪いとは思ってもない。お前ら三人は最高のユニットだとも思ってるよ」

「でも未央が不人気になる可能性をしっかり考えてあげられなかった」

「卯月と凛がずば抜けて人気が出るなんて俺自身思ってもなかったんだ」

「そのことについて未央に話をしたこともなかった。未央のプライドを傷つけたくない。俺はまた俺の感情を優先させたんだ」

「うちの事務所をテーマにしたドラマだって嫌な役をやってもらったな」

「俺は未央にだからやってもらいたかった。それを快く思わなかった人たちだっている」

「俺のプロデュースはいつだって空回ってばかりだった。一番割りを食ったのは未央だ。本当に申し訳ないと思ってる」

重々しい沈黙が会議室に広がる。

やっぱりプロデューサーも気づいてたんだ。

「でもな」

そういってプロデューサーはタブレットを手渡してきた。

液晶に映ったのは『本田未央 引退ライブチケット 完売』の文字。

「俺の失敗を救ってくれたのは未央だったんだよ」


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