56:名無しNIPPER[saga]
2017/06/25(日) 19:53:42.66 ID:YjAvTWa80
ドンドンドンと酒場の扉が叩かれる。
きっと、さっきの銃声を聞きつけて、連中が集まってきたんだろう。
ざっと見た限りで、十数人の人影が見える。
怖い。
怖い。
怖い。
そう思うたびに、私は何も考えなくなる。
何も考えず、我慢して。
彼女の最後の言葉を思い出す。
「おねがい、いきて」
彼女は死ぬ前にそう言った。
私に対してそう願った。
私に対してそう呪いをかけた。
だから、私は死ぬわけにはいかない。
どんなに怖くても。
どんなに不安でも。
誰を犠牲にしてでも。
我慢して。
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