315:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 05:12:50.65 ID:smyUCZOA0
◇―――――◇
8月15日、桟橋の上、日は既に傾きかけ。
予報通り熱帯夜を迎えつつある内浦の海を、熱を孕んだ空気がもやりと包んでいた。
梨子「……なんだか、不思議な気分」
浴衣を着た梨子ちゃんがぼそりと呟いた。
曜「ほんとだよね。とんでもないことに、巻き込まれてさ」
ルビィ「だ、だだ大丈夫だよね、また飛ばされたりしないよね」
千歌「……大丈夫。私たちは、もう大丈夫」
果南「おーい、そろそろ船が出るよー!」
鞠莉「もう、果南ったらまた帯が曲がってるわよ」
全員が目を覚ました時、私たちは浴衣を着たまま、お祭り会場の控室で肩を寄せ合って眠っていた。
時計を見た誰かが大声を上げた。
私たちはお互いの旅の経験も話し合えないまま、慌てて船に乗り込んだ。
でも大丈夫。これから、いくらだって時間がある。
私たちは9人一緒に、未来に向かって進んでいくんだから。
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