千歌「私のぴっかぴか音頭・タイムトラベル」
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279:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 04:34:35.54 ID:smyUCZOA0


『千歌』

『千歌っち』


声が聞こえた。

海のように深く、雲のように軽やかな声だった。


『ずっと思ってたんだ。もしも、最初から鞠莉を留学に送り出していたらどうなっていたんだろうって』


『その方が、鞠莉の将来のためになったんじゃないか。少しでもスクールアイドルをやったことで、鞠莉を縛り付けてしまったんじゃないかって』


『でもさ、その度に鞠莉に叩かれた頬が痛むんだ。私の気持ちを馬鹿にしないでって、そう言われるんだ』


『きっと、先のことなんて考えても仕方ないんだよ。大事な人と今何がしたいか、それだけじゃないのかな』





『ずっと思ってたの。本当は、すぐに留学に行くのが正解だったんじゃないかって』


『そうしたら、喧嘩しなくて済んだんじゃないか、自分のためにも、パパのためにもなったんじゃないかって』


『でもね、思いきり悩んだあの時期に、私は大事なことを学んだのよ。一生消えない、大事な記憶』


『正解ばかりじゃ学べない。悩みながら、選んで選んで、私は今を生きるのよ』



青い海に、青い空に、8人の影が溶け込んだ。




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