167:名無しNIPPER[saga]
2017/06/23(金) 22:41:55.13 ID:3ai9I0vk0
「もうあの子たちのことを心配する必要はなさそうですね。」
「そうですね。石田くんと硝子さんはお互いが通じ合っているみたいですから。」
「そう、あの二人には互いの心が通じ合える『聲』がある。
確かに硝子さんの耳に普通の声は届かない。それでも硝子さんにも発せられる聲がある。
それは人とはまったく『異なる聲』の形があるのですから。」
硝子の耳が聞こえないのは不幸な出来事だった。
それでも硝子には支えてくれる人たちが、理解してくれる人たちがいた。
母の八重子であり妹の結弦でありそしてこの石田でもあった。
彼らは硝子の聲をわかってくれた。
恐らくここまで来るのに右京たちには知ることのない物語があったはず…
それは果てしない苦労と挫折の連続だったのかもしれない。
それでも諦めずに彼らは今の繋がりを築くことが出来た。
去り際、石田と硝子が立ち去るのを見送りながら右京は石田に向かってこう伝えた。
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