34: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/06/14(水) 22:36:31.71 ID:OIoYntls0
この想いを、どう口にすればいいのか、それはまだわからない。
そもそも、口にしていいものなのかどうかすらも。
けれど、今この想いは本物で、どうにかして、それを伝えたかったから。
「それじゃ、また明日」
「ええ」
「お疲れ様です、――さん」
下の名前でそう呼んで、彼に手を振った。
たったそれだけのことなのに、まるで世界が輝いているかのように見えた。
「これが、輝く世界の魔法なのかしら、なんて」
私はそうひとりごちて、静かな夜道を、駅に向けて歩き出した。
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