14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/06/14(水) 00:11:22.99 ID:bk9mFZZ70
「二十歳といえばお前、覚えてるか、あの約束」
そう言うと、暫く考え込む素振りを見せてから彼女が答えた。
「ああ、小学生くらいの時の、大人になったら結婚しようねってやつ?」
「そう、それ。いま思えば、子供の頃とはいえ恥ずかしい約束だったよな」
「……私は、結構本気にしてたけどなあ」
「奇遇だな、俺も本気だったんだ」
「えっ、それってどういう」
「ほら着いた。あれが神社だ」
「ねえちょっと、ねえってば」
これは夢なのかまぼろしなのか、詰まるところそのどちらかなのだろうが、どちらにしても大きな差異はなくて、重要なのはそんなことじゃなくて、俺の隣りに彼女がいる。
いまはそれだけが、たしかであればいい。
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