28:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 22:19:47.29 ID:WhiCH+lDO
剣士「今、なんて…?」
女騎士「お慕い申し上げております」ジッ
剣士「な、な、な…!?」カァァ
女騎士「やはり気付いておられなかったのですね。私はずっとあなたを好いていたのに?」
剣士「な、なぜだ!俺には…」
女騎士「えぇ、恋人がいらっしゃいましたもんね。でも感情には逆らえない…それが恋という物では?」
剣士「バカな!確かに君とは親しかったが俺はギルドに依頼を受ける賞金稼ぎであなたは王宮に仕える位の高い騎士だ!」
女騎士「そうね…。けれどあなたは英雄となった。数々の魔物を討伐し、人々を恐怖から救い出して我々、王宮騎士など比にならぬ功績を挙げた」
剣士「俺一人の力じゃない。彼女とだから出来た事だ…」
女騎士「羨ましい」
剣士「?」
女騎士「私もそう言われたかった。あなたの隣にいたかった。共に称えられ、愛も名誉も欲しいままに……」
剣士「女騎士…?」
女騎士「どうして私じゃいけなかったの…?私だって幾度もあなたと一緒に戦った…!あの日だって!」
剣士「あの日?」
女騎士「あなたは…傷付いた私を置いて、はぐれた彼女を追いかけた!」
剣士「あの場には味方の兵士や賞金稼ぎも大勢いた。だが彼女は一人だった。優先するのは当然じゃないか」
女騎士「結果、私の魂はこうして幽閉されてしまいましたがね…」
剣士「すまない…。君なら大丈夫だと思ったんだ。たとえ一人でも生き抜ける強い女性だと、そう信じてた」
女騎士「それは彼女にも言える事でしょう…?」
剣士「い、いや…」タジッ
女騎士「なにせあなたと並び立てるほどの魔法使いですもの…」
剣士「彼女も死んだよ…。俺が駆けつけた時には既に息を引き取っていた」
女騎士「そう…それは悲しいですね」
剣士「どの魔物にやられたのかは分からない…。首謀者だった黒魔術師の誰かかもしれない…」
剣士「だけど俺が見失わなければ彼女は……そんなどうにもならない事ばかりが頭の中を駆け巡るんだ」
女騎士「もういいじゃないですか」ギュウウ
剣士「……?」
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