12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/11(日) 22:02:20.03 ID:WhiCH+lDO
シュワシュワシュワン
剣士「(また人間か。今度は誰だ?)」
傭兵「……」ジロッ
剣士「失礼だがあんたは?」
傭兵「お前の…お前のせいで…」ブツブツ
剣士「……」ジャキッ
傭兵「許せねぇ…!」ジャキッ
剣士「…なんの事か分からないな」
傭兵「黙れ!お前と魔法使いがギルドの依頼を独占してくれやがったおかげで俺様は職にあぶれたんだ!」ギロッ
剣士「?」
傭兵「俺様だってちったぁ知れた名だった!傭兵稼業でそれなりに飯を食えてたんだ!」
傭兵「だがお前らが現れてからめっきり依頼が無くなった!終いにゃ糞みてぇな連中と依頼を奪い合って小銭稼ぎする落ちぶれようだ!」
剣士「おいおい…それは逆恨みってもんじゃないのか」
傭兵「やかましい!冬の路地裏で冷たい地べたに寝そべって飢え死ぬ惨めさがお前に分かるかぁ!?」
剣士「……」
傭兵「地位も名声もシノギも取り上げられて……酒を買う金もねぇで……シラフで現実を突きつけられる生き地獄……あぁ、あれこそまさに地獄だよ」ブルッ
剣士「他にやりようはあっただろう…」
傭兵「うるせぇ!!この腕一本で大金を稼いできた俺様が今さら冴えねぇクズ共みてぇな労働なんかやってられるかぁ!?」
剣士「冴えない、か。そんな人たちを守る為に俺たちは剣を握るんじゃないのか」
傭兵「バカかてめぇは!?んな高尚な考えでやってる奴なんざいやしねぇよ!ギルドなんてなぁ金稼ぎのツールでしかねぇだろうがぁ!?」
剣士「…堕落ゆえか、はたまた……いずれにしろ分かり合えそうにない」スチャッ
傭兵「お前さえいなきゃ今頃は俺様が英雄だったんだぁ!?」ダッ
剣士「どうだかな」ヒュッ
ズバッ
シュウウウウ
剣士「ふぅ、これが浄化だというのなら浮かばれないな…」
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