死んだはずの妻と出会った話
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66: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/18(日) 19:35:01.93 ID:J/H7nJkR0

「彼女は、カスミさんのことを姉だといっていました」


息を吸って、吐き出します


「僕に、隠していることはありませんか?」




「そうか……シズクと、会ったんだね」

「シズク……ですか?」

「そうだ。シズクは……カスミの妹だよ」


「どうして、黙っていたんですか?」

「言う必要が無かったからだよ」


彼は、嘲るように言いました


「君もカスミも一流大学を卒業して、君は大手金融会社に就職した」

「立派だよ、これ以上ない理想的な夫婦じゃないか」

「それに対してシズクは、高校を卒業してこの家を飛び出して、音沙汰も無い」

「カスミの結婚式にも、葬式にも参列しない。まったく、ろくでなしの娘だよ」


僕は、息を呑みました


「だから……今までずっと隠していたんですか?」

「隠していたわけではないさ。言う必要が無かった、それだけのことだよ」


言葉が、出ませんでした


「向こうが金輪際縁を切るといって出て行ったんだ。仕方ないだろう?」



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