41: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/17(土) 22:45:49.70 ID:EUakjaa4O
ダークスーツに身を包み、ビジネスバッグを肩にかけた僕は、駅の構内で電車を待ちます
数分してアナウンスが流れ、電車の近づく音が響き渡ります
待っている間、僕は今朝の彼女とのやり取りを思い出していました
『ちょっとマコトさん、ストラップ忘れてるよ』
『持ってるさ、ほら』
僕は鞄のファスナーを開き、真っ黄色な饅頭のストラップを見せます
『見えるようにつけなくちゃ、意味ないでしょ?』
『勘弁してくれよ……目立つじゃないか』
『だからいいの。ちょうだい、つけてあげるから』
渋々ストラップを手渡すと、彼女は慣れた手つきで端の金具に紐を通します
『マコトさんが浮気しようとしたら、ちゃーんと目に入るようにね』
『しないさ。僕が浮気出来るほどモテる男に見えるかい?』
『少なくとも私はそう思ってるんだけど』
『心配しなくていいよ、今日も定時で帰れると思うから』
『はーい、待ってまーす』
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