4: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/10(土) 19:54:42.35 ID:EDLtVNMv0
病院に到着すると、すぐに霊安室へと案内されました
電話を受けてから、僕がここへ到着するまで約三時間程の時間が経っています
身支度を整えるために、一度家に帰ったからです
身を纏うスーツに、病院の匂いをつけたくなかったのです
「遺体の確認をお願いします」
白衣の男が、僕にそう告げました
妻らしき物体の、恐らくは顔の部位に掛けられた白い布を、指でそっと剥がしました
それはまぎれも無い、妻の顔でした
頬骨が浮き出ていて、目の下が黒く、全体的に血の気が薄い
なるほど確かに、彼女は息を引き取っているのです
涙は、一滴も出ませんでした
かといって、現実を受け入れられていないわけではありません
動揺していたわけでもありません
僕は、恐ろしいほどに冷静でした
85Res/56.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20