39: ◆2mwK9kDO1Y[saga]
2017/06/14(水) 23:20:03.54 ID:fF3hGUJcO
「マコトさん、これ見て」
「なに?」
「これ、可愛いと思わない?」
それは、何だかよく分からない生き物のストラップでした
恐らくは、この温泉のマスコットキャラクターのようなものなのでしょう
饅頭に顔をつけて、目と足を生やしたような、丸っぽい生き物です
「可愛いかなあ?」
「えー、可愛いでしょ? 可愛いよね?」
僕の反応がよっぽど気にくわないのでしょう
段々と、彼女の顔が詰め寄ってきます
「……うん、可愛い、可愛いよ」
「やったあ! じゃあ、私はこれにするから、マコトさんはこれね」
どうやらそのストラップは何種類もあるようで、妻が手に取ったのは、黄色の饅頭と水色のストラップです
どちらも、饅頭であったならば口にはしたくないような色をしています
「マコトさんが黄色で、私が水色」
「僕が黄色?」
「うん。だってマコトさんには、いつも笑顔でいてほしいもの」
ストラップをみると、なるほど確かに、そのマスコットは笑っていました
「うん……ありがとう」
「これでお揃いだね。絶対つけなきゃダメだよ?」
「うん、分かってるって」
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