4: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2017/06/08(木) 01:24:59.21 ID:v3JuC5BUO
彼の掌が突然放れて、お尻から地面に落ちる。
冷たいコンクリートの感覚が、私を少しだけ現実に引き戻す。
顔を上げると、彼がベルトを外していた。
……今日は、随分せっかちですね。
私は未だに覚束ない両足を踏ん張って、壁に両手を着ける。
直立するわけではなく、頭を低く腰を突き出すように、両足は少し開く。
スカートが捲られる。流石にこの季節は寒い。
冷たい外気に晒されたお尻に、何か熱いものがあてがわれる。
もともと下着は履いていない。こうなるだろうと思っていたし、望んでいたから。
無理矢理内臓を押し上げられる感覚。
一度、二度、三度。繰り返されるたびにどんどん奥深くへと突き込まれる。
熱いモノが私を貫いて、お尻に彼の腰がぶつかる。
そのひと突きごとに腕の力が緩んで、逆に爪先に力が入る。
乱暴に下から突き上げる衝撃に身体が揺れて、壁に接する肌が痛む。
肺腑が押され、声にならない空気が漏れて、苦しくて、空気を求めて魚のように上を見上げる。
勝手に涙が溢れ出て、快感と、痛みと、乱暴に扱われる哀しさと、私を思い遣る彼の気持ちを感じる嬉しさとがない交ぜになって、背筋を駆け抜けて胎に落ちる。
体格差もあって、彼が私に身体を密着させようとするほど私の身体は持ち上げられて、もはや靴の先程度しか着いていない。
彼の頬が顳顬のあたりに当たって、呼気が耳を覆う。
暑くて湿っていて、淫らな呼吸のリズム。
先程までの口づけとはまた違った種類の水音が下半身から響いて、それがまた淫猥さを加速させる。
腰のぶつかる音が一層早くなり、奥へ、奥へ、奥へと、熱が膨らむのを感じる。
無意識に彼を受け入れようと身体が震えて、全身に力が入る。
彼の呼吸と私の呼吸が重なって、爪先が浮き、彼が背中にのしかかり、腹と胸が押しつぶされて。
止めとばかりに、彼が私の肩にかぶりついた。
熱の塊が膨張しては脈動し、再び突き込まれては彼の腰が震える。
火花が眼球の裏で絶え間なく音をたてるような快感の波が押し寄せて、息ができなくなる。
やがて、彼が私の身体から離れる。
私はそのまま崩れ落ちて、薄く雪が敷かれたコンクリートの上に横たわる。
二人の荒い息遣いは波の音に紛れて、それでも確かな熱を残していた。
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