90: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/29(木) 23:46:58.23 ID:R8LbsI9gO
「……………………………」
なんでPは黙ってるんだろう?アタシは言葉を続けながら顔を上げると、
「琴葉にもしかしたらって言われて、病院行ったら分かったんだ。二ヶ月目に入ってますよって…だからね?んー…あんまり激しいのは響いちゃうかもだから…P?」
「……………ぐっ……う…ううっ…」
泣いていた。
「……P?えっと」
「ずびっ…うっう…うぅ…恵美っ」
そのまま、ふわりと抱かれた。
「…………もうっ、なんで…なくのぉ…ひっく…」
パジャマ濡れちゃうよ…バカ…。
「ごめん…嬉しくて…そっか、俺と恵美の…あーやばい…うぅっ」
不安はあったと思う。アタシだってある。でもその前に、Pが真っ先に嬉し泣きしてくれたのが何より嬉しかったし、不安なんて感じる必要ないって言ってくれてるみたいで凄く頼もしく感じた。この人の為にもアタシ、頑張らなきゃ。
「…P、アタシ頑張るね?頑張って元気な赤ちゃん産むね?」
でもPは、アタシのその決意を否定した。
「バカ、『頑張ろうね』だろうが…!二人で…俺だって…一緒に…何言ってんだよ…バカ恵美…ふぅうっ…ひっぐ」
途切れ途切れの言葉でアタシを叱るPが、どうしようもなく愛おしい。
「うん…うんっ…!そうだね…ぐすっ…ごめんね…?」
「ほんとだよ…ずずっ…」
堪らなくなって、Pの背中に回していた手を握りしめる。どうしよう、目の前のこの人が愛おしすぎてどうにかなっちゃいそうだよ。幸せ過ぎて、涙が溢れて止まんない…。
少し前は辛くて、悲しくて泣いてた。
今は幸せで嬉しくて泣いてる。
そのどっちもPのせい。Pのお陰。Pがくれた感情(もの)。
アタシの世界はPが中心に回ってる。自分でも重いって思うけど、でもやっぱりアタシはこの人以外ありえない。
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