23: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/08(木) 01:24:15.25 ID:79yQv8dM0
良い子はとっくに寝てる時間。アタシの目はバッチリ冴えてる。いつもとは違うダブルベッドの広さと部屋の静けさが、アタシを悪い子にした。
「…寒い」
こんなお布団じゃ、今のアタシを温めるには何の効果もない。体温を逃さない為の物としては十分だけど、温もりが足りない。
あの人とくっつかずに一人で寝るなんて、いつぶりだろ。
無理やり寝ようとするのを諦めて、アタシは真っ暗な天井を見上げた。そして何かに縋るように、助けを求めるように、アタシは虚空に手を伸ばす。その手を掴む者は、ここには居ない。
手の届かない所に行っちゃったから。
ねぇP、アタシ泣かなかったよ。何度も泣きそうになったけど、涙は零さなかった。偉いでしょ?
だから、褒めてよ。恵美、偉いぞーって。Pと一緒にアイドルやってた時みたいにさ。あなたの大きな温かい手で、優しく撫でてよ。
あなたの体温を感じたいよ。あなたに触れたい。触ってほしい。
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