【ミリマス】「なぁ、聞いてほしいことがあるんだ」
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4:名無しNIPPER[sage]
2017/06/07(水) 12:55:39.57 ID:6yEOzn3Go
はやくしてくれよ
5:名無しNIPPER[sage]
2017/06/07(水) 22:33:24.08 ID:0UEdpQNHo
はよはよ!
6:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:18:55.71 ID:an3llUSQO
関東が梅雨入りを宣言された日。
珍しく社長室に呼ばれた。
弊社社長は業界内でなかなかの地位を築いているとは思えないほどに身軽で、社長室でじっとしていることなど皆無と言っていい。
会議だって、事務所のソファーで済ませるほどだ。
7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:31:32.95 ID:an3llUSQO
三回ノックして
「失礼し」
まで言ったところで
8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:47:57.92 ID:an3llUSQO
「北海道、どうでした?」
運ばれてきたコーヒーに口をつけるフリだけしながら、話題を振った。
さして興味があったわけではないけれども。
9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:59:50.84 ID:an3llUSQO
「…懐かしいですね」
『平静を装う』という言葉の見本になりそうなくらいに平静を装いながら、窓の外に目をやった。
そこに見えるのは、古い演歌の歌詞を借りるならば
10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 21:11:51.48 ID:an3llUSQO
「ご家族で農家をやっていてね。いやぁ、広い畑だったよ。見渡す限り、というのかねぇ」
家族、という熟語にまた胸が痛む。
我ながら気持ち悪いと思うけれど、どうしようもない。
やっぱり、変われないままだ。
11:名無しNIPPER[sage]
2017/06/09(金) 12:33:41.06 ID:Oc1954oi0
おっさんpとひなたか
期待
12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 19:02:07.58 ID:D7D97yFUO
馴れ初め、という言葉が適当なのかは分からないけれど、俺と旧姓田村奈央子が出会ったのは20数年前になる。
つまり、俺が765プロに入社した時期だ。
それも当然だろう。
プロデューサーとして初めて担当したアイドルが、彼女だったんだから。
13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:31:41.26 ID:D7D97yFUO
「私、まだ東京怖くて」
当時16歳で北海道から出てきたばかりの彼女は、並んで街を歩くたびにそう言っていた。
「はぐれないように、シャツの裾掴んでもいいですか?」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:50:23.54 ID:D7D97yFUO
先に言ってしまうと、彼女はさほど売れなかった。
関東ローカルの30分番組に、ひと月かふた月一度リポーターとして出演する。
それが彼女にとって唯一の、仕事らしい仕事だった。
「卒業したら、北海道に帰ります」
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