【ミリマス】「なぁ、聞いてほしいことがあるんだ」
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13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:31:41.26 ID:D7D97yFUO
「私、まだ東京怖くて」
当時16歳で北海道から出てきたばかりの彼女は、並んで街を歩くたびにそう言っていた。
「はぐれないように、シャツの裾掴んでもいいですか?」
14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:50:23.54 ID:D7D97yFUO
先に言ってしまうと、彼女はさほど売れなかった。
関東ローカルの30分番組に、ひと月かふた月一度リポーターとして出演する。
それが彼女にとって唯一の、仕事らしい仕事だった。
「卒業したら、北海道に帰ります」
15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 23:46:54.54 ID:D7D97yFUO
情けない男の情けない話は、これぐらいにしよう。
彼女は北海道に帰ることになった。
責任を放棄した俺に言えることは、何もなかった。
「したっけね、プロデューサー」
16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/11(日) 00:23:26.32 ID:NES6yUWUo
読んでる
続き楽しみだヨー
17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 22:17:06.05 ID:qishUH14O
「どうだね、担当してみるかい?」
社長の言葉で我に返った。
ー是非とも君に!
18:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 22:35:23.21 ID:qishUH14O
そこまで悟りながらなお返答できずにいると、社長から160キロのど真ん中ストレートが投げつけられた。
「これは、田村くんの望みでもあるんだよ」
と。
19:名無しNIPPER[sage]
2017/06/18(日) 22:47:12.76 ID:nz37lRlu0
田ちゃん……
20:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 22:10:08.93 ID:41sCqHMqO
「いますぐに、とは言わないが、できるだけ早い返答を頼むよ」
また内なる世界に没入していきそうな俺の先手を取るように、社長が言った。
「加入はいつからです?」
21:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 22:25:57.28 ID:41sCqHMqO
「転入先の中学校にも挨拶に伺わなきゃなりませんね。ご両親とは別に」
「ふむふむ」
その相槌に微妙な含みがあるのを感じて、視線を社長へと移した。
22:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 22:51:43.38 ID:41sCqHMqO
レッスンから奈緒が帰って来るのを待って、木下ひなたのことを告げた。
「新しい子!?どんな子ですか!」
こちらが嬉しくなるくらいに予想通りの、奈緒の反応。
23:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 23:07:39.20 ID:41sCqHMqO
「じゃあ、私と同じ学年なんですね!」
「そうだな。中学2年生は…これで7人目になるのかな?いや、8人目か?」
まだ社長の話を聞いただけではあるけれど、やよいと相性が良さそうに感じた。
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