【ミリマス】「なぁ、聞いてほしいことがあるんだ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/06(火) 19:08:01.34 ID:1HX7nGlIO
まだまだ若いつもりです、と思っている。
思うのは勝手だから、人から咎められる覚えはない。

けれど、現実はやはり現実で、アイドル各位からの

「プロデューサーさん、もうすぐ46歳なんですか?」

の後に続くであろう

「もうオジサンですね」

を否定しようのない自分がいる。

「お兄さんだろ」

と言い返せる面の皮は、幸か不幸か持っていない。
要すれば、消極的オジサンということだ。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/06(火) 19:16:53.73 ID:1HX7nGlIO
765プロに入ってから20数年。
担当したアイドルは50人を超えるだろうか?

いまでは『チーフ』なんて呼ばれる身分になったものの、本質的な部分は変わっていないように思える。
要すれば『イジられキャラ』ということだ。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage]
2017/06/07(水) 12:05:56.02 ID:gGzI/AMn0
期待してます


4:名無しNIPPER[sage]
2017/06/07(水) 12:55:39.57 ID:6yEOzn3Go
はやくしてくれよ


5:名無しNIPPER[sage]
2017/06/07(水) 22:33:24.08 ID:0UEdpQNHo
はよはよ!


6:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:18:55.71 ID:an3llUSQO
関東が梅雨入りを宣言された日。
珍しく社長室に呼ばれた。

弊社社長は業界内でなかなかの地位を築いているとは思えないほどに身軽で、社長室でじっとしていることなど皆無と言っていい。
会議だって、事務所のソファーで済ませるほどだ。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:31:32.95 ID:an3llUSQO
三回ノックして

「失礼し」

まで言ったところで
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:47:57.92 ID:an3llUSQO
「北海道、どうでした?」

運ばれてきたコーヒーに口をつけるフリだけしながら、話題を振った。
さして興味があったわけではないけれども。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 20:59:50.84 ID:an3llUSQO
「…懐かしいですね」

『平静を装う』という言葉の見本になりそうなくらいに平静を装いながら、窓の外に目をやった。
そこに見えるのは、古い演歌の歌詞を借りるならば

以下略 AAS



10:名無しNIPPER[saga]
2017/06/08(木) 21:11:51.48 ID:an3llUSQO
「ご家族で農家をやっていてね。いやぁ、広い畑だったよ。見渡す限り、というのかねぇ」

家族、という熟語にまた胸が痛む。
我ながら気持ち悪いと思うけれど、どうしようもない。
やっぱり、変われないままだ。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage]
2017/06/09(金) 12:33:41.06 ID:Oc1954oi0
おっさんpとひなたか
期待


12:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 19:02:07.58 ID:D7D97yFUO
馴れ初め、という言葉が適当なのかは分からないけれど、俺と旧姓田村奈央子が出会ったのは20数年前になる。
つまり、俺が765プロに入社した時期だ。

それも当然だろう。
プロデューサーとして初めて担当したアイドルが、彼女だったんだから。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:31:41.26 ID:D7D97yFUO
「私、まだ東京怖くて」

当時16歳で北海道から出てきたばかりの彼女は、並んで街を歩くたびにそう言っていた。

「はぐれないように、シャツの裾掴んでもいいですか?」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 21:50:23.54 ID:D7D97yFUO
先に言ってしまうと、彼女はさほど売れなかった。
関東ローカルの30分番組に、ひと月かふた月一度リポーターとして出演する。
それが彼女にとって唯一の、仕事らしい仕事だった。

「卒業したら、北海道に帰ります」
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2017/06/10(土) 23:46:54.54 ID:D7D97yFUO
情けない男の情けない話は、これぐらいにしよう。
彼女は北海道に帰ることになった。
責任を放棄した俺に言えることは、何もなかった。

「したっけね、プロデューサー」
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/11(日) 00:23:26.32 ID:NES6yUWUo
読んでる
続き楽しみだヨー


17:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 22:17:06.05 ID:qishUH14O
「どうだね、担当してみるかい?」

社長の言葉で我に返った。

ー是非とも君に!
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2017/06/18(日) 22:35:23.21 ID:qishUH14O
そこまで悟りながらなお返答できずにいると、社長から160キロのど真ん中ストレートが投げつけられた。

「これは、田村くんの望みでもあるんだよ」

と。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage]
2017/06/18(日) 22:47:12.76 ID:nz37lRlu0
田ちゃん……


20:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 22:10:08.93 ID:41sCqHMqO
「いますぐに、とは言わないが、できるだけ早い返答を頼むよ」

また内なる世界に没入していきそうな俺の先手を取るように、社長が言った。

「加入はいつからです?」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2017/06/21(水) 22:25:57.28 ID:41sCqHMqO
「転入先の中学校にも挨拶に伺わなきゃなりませんね。ご両親とは別に」

「ふむふむ」

その相槌に微妙な含みがあるのを感じて、視線を社長へと移した。
以下略 AAS



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