11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/04(日) 20:00:38.70 ID:uS13NFUz0
重音テトは闇に吼えた。
「馬鹿なッ この曲は!!」
「そのとーりっ!!超絶かわいいリンちゃんの登場だよ!!」
と、目の前に誰かが降り立った。
一人は、先ほどまで見えていた夕焼けのような、黄色の髪をした少女。
頭には大きな白のリボンを結んでいる。
この子は、この子もVOCALOIDなのだろうか?
「よく堪えてくれました。ミクを守ってくれてありがとうございます」
もう一人は、少女の傍に寄り添うように立つ男。
黒のスーツに、女性のような長い黒髪を後ろで結んでいる。
銀で縁取られた丸眼鏡の奥には、切れ長の瞳が鋭く光っていた。
「あなたは?」
「そこの悪戯娘のマスターです。詳しい話は後ほど」
男はそう言うと重音テトの方を向いた。
その目は怒っていた。
「随分と乱暴してくれましたね、テト。言っておきますがこの曲、優しくはありませんよ」
「嗅ぎつけるのが早かったなぁサンガツ。まさかそんなおこちゃまがボクを倒そうって?」
「リンはおこちゃまじゃないよ!!」
ぶわ、と少女の背中から輝く翼が生える。
翼は端の方から宙に消えていく光の玉を放出しているが、消えるわけではない。
少女はそのままゆっくりと宙に浮き、佇んだ。
「昨日牛乳飲んだもん」
「リン、ミリオンは負担が大きいから一気にね」
「分かってるってー!」
突風。
突進した少女の生み出した風は、後ろにいた俺の身体をいともたやすく吹き飛ばした。
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