【僕だけがいない街】「悟と過ごした時間があったから、あたしは幸せになれた」
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◆pYeaDGyi0Qrt
[saga]
2017/06/04(日) 09:43:12.19 ID:GQ1RtyMX0
悟が目を覚まさなくなったあの事件の日以来、あたしは、毎日の様に、悟の眠る病院へと通っている。
私ももう中学生、あれから実に一年以上の時間が経過していた。
そんなあたしを見てか、ケンヤ君や悟のお母さんはあたしを心配しているようだった。
自分でもみっともないことくらい、わかってる。
きっと悟も、折角自分が救い出したあたしが、いつまでも同じ場所に踏み止まっているのを知ったら、喜ばない。
でも、あたしには未だに新たな一歩を踏み出せずにいた。
悟を置いて行くのが怖かった。悟を失うのが怖かった。あたしの中で、悟はそれだけ大きな存在だった。
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