2: ◆eF65jN7ybk[saga]
2017/06/04(日) 01:48:41.62 ID:wOH40UWj0
次の仕事までの時間を春香と事務所で待っていると、そうポツリと漏らした。二人きりの事務所に響くのは自分の出すキーボードの音だけ。その中で春香の声はしっかりと耳に届いた。文字を入力していた手を止めて声のした方を覗く。席を立って「どうかしたのか」と聞き返しながら春香の向かいのソファに腰をかけた。
「私は、アイドルになれているでしょうか」
しかし春香は一つもこちらを見ずにただ机の上を見つめる。その声はいつもの春香のものとは違っていて、たとえば放っておけば消え入りそうな。敢えて気がついていない振りをした。
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