15: ◆eF65jN7ybk[saga]
2017/06/04(日) 02:09:50.36 ID:wOH40UWj0
たとえば、そう。
目の前に座る女の子――。
「さぁ、なんだろうな」
天海春香のことを指すんだろう。
なんて、今は言ってやらないけど。とぼけたように溜息を吐いて腰を深くかけ直す。
「ふふっ。……そろそろ、お仕事行きましょう!」
春香はそんな自分の気持ちを察したのか察していないのか微笑むと素早く立ち上がった。それに倣って自分も深くかけたばかりの腰を上げる。
「そんなに急ぐとまた転ぶぞ」
鞄を手に持って、車の鍵を机の上からひったくる。春香はくるりと振り返って嬉しそうに笑う。
「今日はまだ一回もこけてないんですよ! って、わっ!?」
ほら、言わんこっちゃない。
それでも。
この子を、ずっとこれからも傍で見ていたいと思ってしまうのは我儘だろうか。
――これはそんなアイドル天海春香のはなし。
fin.
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