77: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:29:46.23 ID:vaSvTruRo
「この白いのは?」
「パールオニオンです。小さな玉葱のピクルスと思っていただければ。
おつまみ代わりにどうぞ」
78: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:30:26.45 ID:vaSvTruRo
「これは後のお楽しみです。ギブソンが半分まで減ったらまたお呼びください」
「へぇ、期待させるね」
79: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:30:54.41 ID:vaSvTruRo
「マスターは何年前からマスターなんですか?」
李衣菜がオニオンを齧りながら聞く。
80: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:31:36.16 ID:vaSvTruRo
「マスター!お酒半分になりました!」
「では、こちらを」
81: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:32:31.47 ID:vaSvTruRo
少し多めのジンとベルモットでギブソン。
そして、ジンとベルモット、そこにチェリーブランデーを加えれば、
82: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:33:02.32 ID:vaSvTruRo
飴色のグラスを口元に近づけ、一口。
「甘くて美味しい……!
さくらんぼの甘さがじんわり口の中に残って、後から香りが抜けてく…」
83: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:33:31.95 ID:vaSvTruRo
「名前も多田様好みかと思いまして」
「キッス・イン・ザ・ダーク……」
84: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:34:13.19 ID:vaSvTruRo
「そうだな、既存概念に囚われない。それがロックだ」
そう言って夏樹は自らのグラスを飲み干した。
85: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:34:40.98 ID:vaSvTruRo
「今日はありがとうな」
そう言って夏樹は札を差し出す。
86: ◆b2/ys3/tgw[saga]
2017/06/03(土) 23:35:09.65 ID:vaSvTruRo
李衣菜は最後にもう一つお辞儀をして、
夏樹はじゃあまた、と片手を上げ、店を出た。
ギターを背にした二人を見送ると、外からバイクの排気音が聞こえた。
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